カジュアルに本を読もう。こんにちは、夕立P(@mofday)です。
これまで(というよりは今でも)ぼくはかなり読書に対して苦手意識を持っています。というのも、よくある読書術で「○分間だけ本を読め!」とか「○分で1冊読める速読術!」というのがことごとく役に立たなかったこと、その理由がこれから紹介する本に載っていたのですが「カジュアルに本を楽しめていなかった」ところにあります。
これまた苦手意識を抱いている映画と同じで「一度読み始めたら最後まで進めないと気がすまない、一旦区切ると内容を忘れてしまい続かない」という状態に陥ることもよくありました。
これに対する意識を「じゃあこうすればいいんじゃない?」という提案をしてくれたのが本書『遅読家のための読書術』でした。
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流し読みをする・それができるタイプの本を読む
まず第一に、本はもっとカジュアルに読んだっていいものでいわゆる『流し読み』程度でガンガン読みまくっていいものじゃないか?という提案がありました。そもそも本に限らずインプットは100%を手に入れるような堅苦しいものではないのでは?人間とは忘れるものなのだから、その中でも10%でも、もっと言えば1%でも宝物になるようなものを手に入れられるような読み方をするといいんじゃないか?ということが述べられていました。
1日1冊、気に入った1行・フレーズを見つけ出すための読書……といったところでしょうか。この見つけ出した気に入った1行・フレーズについては後述しますが活用しますので、頭に留めておいてください。
また、この流し読みができる本というのは限られてきます。ストーリーを追うようなノベルでは一字一句を読み込んで味わう楽しみがありますので、この本に載っている読み方は推奨されていませんでした。
流し読みがマッチするのは、ぼくが当ブログで勧めていたような啓発本の類であったり、また本書自体もそれができるタイプの本です。
インプットとアウトプットをセットにする
本書で紹介されていた手法として「ワンラインサンプリング」「ハイライトエッセンス」「ワンラインレビュー」というものがあります。
ワンラインサンプリングとは
・良かったと思ったポイントを1行で、ページ数も添えてノートに書く
・これをノート1ページ(本書ではA41枚とありましたが、ぼくは自分にあったノートを勧めてたいと思います)に収まる程度にたくさん書き出して、ハイライト集を作る
ハイライトエッセンス
ワンラインサンプリングで作ったメモの中から、特にお気に入りのものをひとつ選ぶ
ワンラインレビュー
ハイライトエッセンスで選んだものの感想を一言で書き記す
アウトプットすることについて
サンプリングの手法は、さすが筆者が音楽ジャンルにもいる方だなぁとも関心しました。
1冊の本から特に重要と思われる部分だけを抽出して本質に触れようとする試みだと思います。
ありんこ書房の蟻坂さんも全く同じ本について触れられているのですが、このワンラインレビューについて『Twitter』で行うことを提案されています。
個人的なおすすめは、ステップ4をTwitterで行うこと。100文字程度しか書けないので要約のスキルにもアプローチできますし、何よりシェアできるので良いものを人にすすめることができます。
本を読む速さが3倍くらいになる具体的な3つの速読スキル | ありんこ書房
ワンラインサンプリングをひたすら集めて知識と経験を増やす
本書で述べられていた『読み飛ばしても「つながり」は見える』について提案があります。
そこでは「必要な点だけをつまんでいけば、それらは見えない線となってつながっていくもの。」「「序盤」「終盤」のそれぞれ5行を確認することで、「そのユニットが自分に必要か否か」が判断できるようになります。」とありました。
本の1項目をキリンに例えて、頭を「序盤」胴体を「中盤」脚を「終盤」という具合にして、胴体たる「中盤」が隠れていても「序盤」と「終盤」がわかれば「中盤」も想像できるという話でした。
ですがぼくはこれを「そもそもある程度の知識や経験がないと、この例え話であればキリンというそのものを知らなければ「胴体」を想像することができないのでは?」と疑問を持ちました。
その疑問自体はわりとどうでもいいのですが、こうした「想像力を働かせて見てない部分を”見る”」ために必要なのは、やはり知識と経験なのだと思います。
そのためにも上記の「ワンラインサンプリング」を増やしていくことができれば、様々な本を『流し読み』できる経験になるのかな?と思いました。
提案:「ワンラインサンプリング」を「リミックス」する
クラブサウンドに馴染みの深い方には「サンプリング」から「リミックス」という手法を連想される方もいるかもしれません。そこでぼくは「ワンラインサンプリング」がいくつかできたら、それを「リミックス」してみるという方法を提案します。具体的には先日も書いた(本と映画となのでジャンル違いではありますが)『Give and Take』から学んだ「ギブ・アンド・ギブ」と映画『ペイ・フォワード』から学んだ「受けた恩を他者に贈る」を組み合わせて、より多くの人々にギブをし合う環境を作ろう!みたいなところですね。下記記事に書いてあります。
https://mofday.info/possibility-of-giving/
読書術という本からまさかこんなアイデアが浮かぶとは思ってもいなかったのですが、思いつきとしては面白そうだということで提案させていただきました。
まとめ
本書にあることは次の3つです(蟻坂さん(@4risaka)と同じ答えに行き着きましたのでコピペみたいになりますが……)。
- 一字一句を読むことをしない
- 読書の目的を意識して、そこに合致したところをピックアップする
- 目的に対する答えを得る(サンプリングとレビュー)
意外とカジュアルに読める本が存在すること、そういった本が実は表向きは堅苦しそうに見える本がそうだった、というような面白い気付きもありました。また、本書から得たアイデアである「ワンラインサンプリング」を「リミックス」するというのはアイデアの作り方の基本みたいなところでもあるかな?と思います。
なんとなく手に取った時から「サラっと読んでも大丈夫そうな本だな」と思って、運良く座れた通勤の30分で読み進めました。これが一字一句を熟読するやり方でしたら、読破するのに5倍以上の時間が必要だったと思います。
他にも本書には「読書に対する生真面目な意識を変えてみる」「読書を習慣化する」ためのアプローチにも触れられていますので、読書に対する苦手意識をお持ちの方には最初にオススメしてみたい本です。
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