結論から言うと「誰も使いたがらないから」です。こんにちわ、夕立P(@Yu_dachiP)です。
『ボカロ曲』に代わる音声合成ソフトウェア歌唱の新しい名称が、いつまでたっても決定的なものが出てこない
新しい音声合成ソフト・エンジンが世に出てきており、楽曲制作者もソフト開発側もVOCALOIDソフトウェアおよびブランドから脱却しつつある今日では、オリジナル曲のタグをつけるにしても「Synthesizer V オリジナル曲」「CeVIO AI オリジナル曲」等、ソフトウェアでタグを分けるようなことになる場合があります。
これらを統合しよう!という動きは一部ボカロリスナー界隈ではあるのですが、どれもこれも決定打に欠けるのが現状です。ではなぜ「決定打に欠ける」のか?
今回はそれについて語ります。
タグとして浸透していない→利便性が悪いので投稿者が使いたがらない
ニコニコ動画内やTwitterでのハッシュタグ利用でも「音声合成ソフトによる歌唱」を統合したタグがほぼ機能していない&どのタグを使えばいいのかわからない、という状況があります。
タグが浸透していないということは、楽曲投稿者からしてみれば「楽曲を届けたい層にリーチできない」ので、そりゃ使いたがらないですよね。
新規で上手いこと表現したタグが今後出てきたとしても、この「タグの浸透率」が上がらない限りは投稿者側も使いたがらないと思います。
浸透していないタグは廃れ、新しいタグがまた出てくることにより更にタグの利便性が悪化するという、負のスパイラルでもあります。
このあたりはタグの考案者からのタグ利用アプローチのトップダウンと、投稿者の意識のボトムアップが同時に必要となってくるはずなので、よほど精力的に行動しないと今後も浸透が難しいと思われます。
そもそも「ボカロリスナー」という界隈への呼称が今でも使われ続けている
これは個人的にはリスナー界隈的な片手落ちだと思っているところなのですが、未だに音声合成ソフト歌唱のリスナー界隈では「ボカロリスナー」というワードが使われ続けている現状があります。ボカロリスナーという呼称の何が悪いんだ!と言われたら「そりゃ音声合成ソフトカテゴリの新しい呼称を模索している人々がそもそもリスナー界隈に『ボカロ』の名称を冠していたら固着し続けちゃうよね」ってハナシです。
『ボカロ曲』に代わる音声合成ソフトウェア歌唱に名称をつけたいなら、そもそもボカロリスナーという呼称も変わっていかなければ結局「ボカロ」ブランドに固着し続けてしまうのではないか?ここはリスナー的には問い質していきたいところですね(気にしすぎでは、と言われればそうなのかもしれません)。
そもそも『ボカロ曲』に代わるモノって必要なの?
ボカロの名称についての扱いをYAMAHAが自社ブランドを守るために色々とガイドラインを制定した事情もあり、たしかに新しいカテゴリ名は必要ではあるんですよね。
本使用規約は、「VOCALOID™」関連名称(「ボーカロイド」「ボカロ」等)の商標やロゴの使用に関する使用規約になります。
(中略)
( 2 ) 適切な使用に関する規則は以下の通りです。
・弊社商標について、普通名称であるかのような誤認や混同を招くような表示は避けてください。
引用元:「VOCALOID™」関連名称 / 商標 / ロゴ に関する使用規約 https://www.vocaloid.com/trademark_of_vocaloid/
むすび
個人的には「ボカロ」という名称についたブランドというか権威性があまりにも強すぎたため、今のシーンで使いやすいカテゴリ名およびタグが出てこないんだろうと邪推しています。異論は認める。