iPhone・iPadで作曲する系の記事をいくつか書いている弊ブログですが、ようやっと2022年の事情を反映させたものを書きます。情報をアップデートしておかないといけませんからね。とはいえスマホアプリで新しいDTMアプリのリリースも近年はあまりされていないのですが……
そして相変わらずAndroid端末ではDTMの選択肢がほぼない状況も続いているようで……需要はあると思うんですけどね。
本記事ではよく出回っているアプリだけを紹介するようなブログでは書かれないアプリごとのメリット・デメリットに加えてアプリごとの作例も公開します。それではいってみましょう。
iPhone・iPadのどちらでも使える作曲アプリ
GarageBand
Appleが提供している無料のDTMアプリ(DAW)。デフォルトで入っている音源の質がとても高いです、無料で使わせてもらってもいいの?!と思うくらいには。
音楽制作における打ち込み方法もいくつかあり、画面に表示されている楽器をタッチ演奏することでも打ち込めます。これにはキーボードだけじゃなくてギター・ベースやストリングス等も対応している音源があります。
LIVE LOOPSという、ループ素材や打ち込みループを組み合わせて曲を組み立てる・演奏するといった機能も用意されています。

得意ジャンル:どれもソツなくこなせます(ケルト等の民族音楽、ロック・ポップスも、クラブサウンドも)
メリット
- 打ち込み方法の豊富さ
- 音源の質の高さ
- 無料
- 他社製の対応する外部音源を組み込める
デメリット
- midi打ち込みのしづらさ(特有のクセがあります)
- マスタートラックの表示が存在せず(実際はある)マスタートラックにリミッターが勝手に設定されている(GarageBand上では解除できない)
作例
KORG Gadget2
打ち込み画面(シーケンサー)を縦持ち表示にして使えるので、片手でのモバイルDTMに最適解とも言える打ち込みのしやすさが強みのDAW。
シーケンス・ソングパターンの管理が一般的なDAWと違って、Z型に進んでいくところが少し戸惑うかもしれませんが、慣れるとこれも凄まじいスピードで曲を構築できるようになります。
DAWと言うにはその独自のシーケンサーが災いしてか、オーディオの扱いが少し苦手な印象もあります。
デフォルトでの音色はデジタルサウンドに特化したもので、かなり使える音色も多いです。無料で機能制限があるLE版もあります。
追加音源に課金要素あり、これは注意で結構な沼です。全部集めようとせずデモを聴いて必要そうなものだけ買い足しましょう。私は沼りました。

得意ジャンル:EDM等のクラブ系サウンド
メリット
- デジタルサウンドの質の高さ
- 独自のシーケンサーでの打ち込みのしやすさ(慣れない場合にはデメリットにも……)
- 片手持ちでも打ち込めるフットワークの軽さ
デメリット
- オーディオ素材の扱いにくさ(ボーカルのデータで顕著)
- 追加音源の課金要素の多さ
作例
Android端末でも使えるモバイルDTMアプリ
FL STDUIO Mobile
クラブサウンドに強いFL STUDIOのモバイル版です。PC版のFL STUDIOと違い、パターンを組んでどうこうする制作フローではないところに注意。
一般的なDAWやシーケンサーのような操作感となっています。
内部のシンセをかなり作り込むことができます。課金で手に入る追加音源もなかなか強力です。
ただし他社製の外部音源にあまり対応していません。具体的にはAudioUnitsと呼ばれる規格には非対応、Inter App Audioの規格には対応しています。

得意ジャンル:クラブ系サウンド全般
メリット
- 打ち込み画面が素直で扱いやすい
- 標準搭載のシンセを作り込め、プリセットの保存と共有も手軽
デメリット
- AudioUnits規格の音源は非対応
Roland Zenbeats
DAWっぽい見た目(なんじゃそりゃ)をしたモバイルDTMアプリ。モバイル環境だけでなくWin/Macにも提供されています。
Roland製なこともあり、音源は優秀です。サウンドライブラリがとにかく豊富!
無償・有償版のほかに、Roland Cloudという音源のサブスク会員で有償版と同じ機能が開放されます。
……ですが正直、個人的にはあまり使っていてテンションがあがらないソフトでした。なんでだろう?実際あまりユーザーを見かけない気もします。

メリット
- さまざまな環境で提供されている
- 音源の質の高さと量が豊富
- 別途サブスク会員でも有償版と同じ機能が開放される
デメリット
- (私の観測範囲では)ユーザーが少なくアプリの情報も少ない
今回は詳細に紹介しないけど他にもこんなアプリがあります
Cubasis3、Meldy,iMPC Pro 2 ほかにも色々と作曲できるアプリは存在するのですが、いまいち紹介しきれなかったので割愛します。