半年に1度開催される同人即売会イベント『M3』では参加サークル数が1000を越え、ニコニコ動画に投稿されるボカロ曲の新曲も毎日その数100を越え、活動をしているDTMerやボカロPはあまり珍しくないように思える時代です。
なにせこれだけの数のアクティブないわゆる『音屋』がイベント出演・出展や作品の公開でしのぎを削っているのです。「埋もれる」と定義され、またそう作者やリスナーが認識してしまう作品も数知れず……
そんな今だからこそ、単なるSNSでのキャラ作りではなく、またむやみやたらに名前を広げるのでもない、「自分の作品が刺さるリスナーの元へ、それを届けるため」の『セルフブランディング』について考えてみました。
ブランドの『要件定義』
ブランドというものは基本的に「物が売れるようになるため」デザインするものです。この場合は、自分たちの作品を売り出したい!ということにしておきましょう。
そこでブランドというものがどういったものから成り立つのか、改めて考えてみます。要件定義というやつです。ただ、やり方もそれに則って5W2Hではなく、もっと簡略化して設計をしました。
(5W2Hについては検索すればいくらでも記事が上がっていることでしょう。)
超砕いたブランドの設計、3ステップ
【Who】誰に対して?
ブランド、自身をどういった人間に対してアプローチするのか?を考えます。難しいことを考え始めると下記カッコ書き内のような方法が取られます。そこまで深く考えなくてもいい方は、例えばターゲットが「どういうイベントに足を運ぶか」「他に聴く曲のタイプは」といったものを想像すれば一旦は大丈夫です。
(ここではアプローチしたい人間の「ペルソナ(架空の見込み客)」を掘り下げていく手法がよく採用されています。具体的にはこれも本1冊が書き上がり論争が起こる内容ではありますが……)
【What】どんなモノを?
例えば「イベント限定頒布の自作曲」「skebでオリジナル曲制作のサービス」「動画サイトにアップしたボカロ曲」。それらの作品が、どういう「ジャンル」「タグ」によってカテゴライズされるか?
といった、自分の作品がマーケットに出た時のことを想像すると良いでしょう。
【How】どのように届ける・売る?
上記に例えとして出した「イベント限定頒布の自作曲」「skebでオリジナル曲制作のサービス」「動画サイトにアップしたボカロ曲」。先程はテキスト中の後半部分について考えていましたが、ここで考えるのは前半部分です。
物理CDやダウンロードカードとして、Web上でネットレーベルのようにDL販売、動画サイトに派手なMVと共にアップロード……といったようなことですね。
自己分析の重要性
ここまで書いてきましたが、上記の要件定義にあわせて自分自身と作品について考えることで、自ずと「自己分析」もできているかと思います。(そうなるように文章の流れを作りました)
売り出したいモノや自分を「実態を捉えてアピールする」ことが大切です。実態に即していないものは売り出せません。
またネット上で勘違いされがちな「セルフブランディングは痛い」ですが、「セルフブランディング≠キャラ作り」です。とくにSNS上での自身の発言やキャラ・性格作りの話ではありません。(そういう路線でブランディングをすることもあるのでノットイコールとしていますが)
どこにでもいる人から「ここにしかない!」特別な人へ
自己分析と、自分が相手にする人間、そして売り出したいモノについての考え方が定まってくれば最初の一歩は踏み出せています。
難しいことを言うと、この後に作品や自身についてのイメージ……それも自分だけではなく、第三者からどう見られているのか、という部分に全力を出して行くのですが……
ブランドとは見せ方の話でもあるので、「自分が周囲にどう見えているのか?」は最重要課題のひとつです。
世の中にあふれるほどいる才能ある人たち、そのひとりであるあなたが、どうやって大衆に見つけてもらえるかのヒントとなれば幸いです。
参考
WIX Blog – セルフブランディングとは?実践方法を10ステップで徹底解説
https://ja.wix.com/blog/2019/09/personal-branding-guide/
YAYOI KURONUMA – 自分をブランドにしたいとき、考えなければいけないこと
https://yayoi0004.com/brand-4466
アプリの学校 – ペルソナとは? 作り方やターゲットとの違い、分析方法を解説
https://yapp.li/magazine/6179/
夕立ノート – Ola Englundのトークから学ぶ、ボカロP(同人音屋)の戦略とは?
https://mofday.info/ola-englund-vocaloidp-strategy/