iPhoneだけでもボカロPになれる時代に既になっています。こんにちは、夕立P(@Yu_dachiP)です。
iPhoneもといiOSはAndroid端末と比べて圧倒的に音楽・作曲系のアプリが多いです。その辺の事情は端末の問題にあるのですが、ここでは触れないでおきます。
とにかく、iPhoneひとつにそういうアプリを入れておけば、いつでもどこでもボカロ曲が(それも中々のクオリティのものが)作れるようになりました。
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今までの記事でも結構紹介しているのですが、改めて「ボカロ曲を作りたい!」人のために、iPhoneおよびiPadユーザー向けではありますが色々書いてみます。経費は最低限のお金でボカロ曲を作りましょう。
用意するアプリ
最低限、以下の3つのアプリを用意してください。有料なのは実質、ボカロエディターだけです。
- GarageBand
- Mobile VOCALOID Editor
- AudioCopy
これらを順番に説明していきます。
GarageBand
楽曲そのものを作るのに使います。別に曲が作れればこのアプリじゃなくてもいいのですが、ここで紹介しているのには別の意味もあります。ボカロ歌唱との音源のミックスです。
KORG Gadgetについて
具体的にはKORG Gadget内のガジェット「Zurich」で音源を読み込んでやるんですが、シーン毎に歌唱データの使用範囲を指定してやる必要があります。記事執筆時点ではこれがやたらとめんどくさいのでオススメしません。
使うとしたら、バックトラックを制作した後に書き出してGarageBand(またはMTRアプリ)でミックス……という手順になります。
ちょっと話が逸れましたが、GarageBandは現在、無料ですべての音源が利用できるみたいです。以前はあったApp内課金のComplete collection of GarageBand Instruments and soundsがアプリの説明からも消えています。それどころか無料で利用できる音源が増えましたし、即座にリズムトラックを自動生成してくれるDrummer、DJの様に曲を組み立てられるLive Loop、Audio Unit機能拡張Appであれば他社製の音源が使えるInter-App-Audioと、ここまでやれるのに無料でいいの?と目を疑うような機能が満載です。付属の音源「Alchemy」も強力なシンセなので、よほどリッチな音源を使いたい!というのでなければ困る場面は少ないと思います。
Mobile VOCALOID Editor
ボカロ曲を作る!というのであれば必須アプリですね。通常価格は4800円しますが、それに加えて追加音源ライブラリがだいたい2400円です(デフォルトで入っているVY1 Liteの上位版、VY1のみ1200円です)。
記事執筆時点での追加音源は以下の通り、32ライブラリあります。
収録されている音源ライブラリ
実は後述するAudio Pasteがなくてもこちらのアプリの「iOS版GarageBandのミックスダウン後に~のアプリで開くに対応し、GarageBandで生成した伴奏を取り込み可能」なのですが、ミックスという点から見た時に流石に厳しいすぎるのであまりオススメしません。
「Audioファイルのコピーペーストを行うAudioCopy/Pasteに対応」とありますが、そのAudioCopyというアプリが無料なので、そっちを使ってGarageBandでミックスした方がいいです。欲を言うと更に良いアプリ(MTRアプリ)がありますが、そっちは有料で「最低限のお金でボカロ曲を作る」という記事の主旨に合わないので興味があれば各自で調べてください。
AudioCopy
先ほどから言っていた「ボカロの歌唱をGarageBandに移す」のに使います。また、サンプリング音源の大手業者であるLoopmastersとの提携で、自分の作品に利用可能なSound Packがあったりします。有料音源ですが、一部無料のものもありますので、気に入ったものがあれば使っちゃいましょう。
iPhone(iPad)でボカロ曲の制作フロー
- GarageBandで曲を作ります。ちなみにmidiデータは書き出しも読み込みもできないので注意してください。一応ボカロ歌唱のメロディラインもここで打ち込んで、ボカロエディターに読み込ませておくと、耳コピしながらボカロの打ち込みができるので作業が楽です。後からGarageBandの方の歌メロをミュートしておくのを忘れないように!
- Mobile VOCALOID Editorでボカロの歌唱データを作り込みます。
- AudioCopyでGarageBandにボカロの歌唱データを移したらミックスして楽曲の完成です。
注意事項
ボカロ音源の利用規約は、各ボカロで結構変わっていたりします。特にFukaseは利用規約がかなり厳しかったはずなので、音源の購入の際には声質のチェックだけでなく、規約についても調べておきましょう。
関連記事:AIきりたんをスマホでも歌わせることができた!
そもそも音楽ってどうやって作ればいいの?理論ってなに?
そういう方向けのテキストが無料で公開されています。
SoundQuestという音楽理論の情報サイトがあります。とてもわかり易く、比較もしやすいです。
https://soundquest.jp/
『Music Planz(http://musicplanz.org/)』というNPO法人がミュージックプランツアカデミーにて使用しているテキストを公開しています。
http://musicplanz.org/academy/textbooks
Logic Pro Xについての記事も多いですが、作曲入門についてのテキストも前半に書いてありますので、ひとつ参考にするといいでしょう。
まとめ
最低限のお金だけで、iPhoneでボカロ曲を作る方法を提示してみました。
とはいえ、ぼく自身はオケを作るのをKORG Gadgetでやって、ミックスをGarageBandでやるというお金のかかる手法でやってしまっているので、他の方の作品ですが作例として挙げさせていただきます(厳密にはこの方もボカロ歌唱はPCでやっていたはずですが、だいたいこんなカンジの曲ができますよということでひとつ)。
ひとつ目は左手氏の作品『行≒為 / 初音ミク』です。
左手氏マイリスト(http://www.nicovideo.jp/mylist/58697136)
左手氏の改名に伴い、作品が非公開となりました。今後は『呆(あきれ)』さんという名で活動をされるそうです。今後の活躍も期待しています。
iPhoneを持っていればDTMでいつでもどこでも曲が作れる、ボーカルさんがいなくてもボカロがあれば歌モノも作れる。いい時代になったものです。ちなみに作りたいのがボカロ曲じゃなければ、歌モノでも(要するに生ボーカルですね)GarageBandひとつで作れちゃいますよ!!
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